私がルアーフィッシングでよく使うルアーの1つがメタルジグです。
重量があり遠投が出来るので広範囲を手早く探ることが出来ますし、1個当たりの値段が安いのも魅力です。
最近ではアジングやメバリングが定着したこともあり、小型のメタルジグの選択肢も増えました。
市販の物でも特に不満はありませんが、家に使いこんでボロボロになったオモリがたくさんあるので、それらの再利用も兼ねてメタルジグを自分で作ってみることにしました。
自分でメタルジグを作ってみたい人
どんなジグを作るのか
今回作るのはライトゲーム用の小型のメタルジグです。
ターゲットはカサゴ、メバル、アジ、メッキなどです。
バスロッドでの使用を想定し、重さは10g前後、落とし込みとゆっくり目のリトリーブでの使用を想定した物を作ろうと思います。
お手本にしたジグ
ジグの製作にあたりお手本にしたジグは写真のアクメタックルのカストマスターです。
現在では店頭で外国製ルアーが売られていることはほとんどないので、ここ20年くらいで釣りを始めた方は見たことが無いんじゃないかと思います。
長ネギを斜めに切ったような形で、現在のメタルジグのように目玉やウロコ模様とかは一切ありません。
日本では売れなそうな見た目なので店頭に無いのも分かります。
しかし、私はルアーフィッシングにマッチ・ザ・ベイトという考え方を取り入れていないためリアルな見た目でなくても全然平気です。
むしろこういう「こんなんで釣れるの?」的なルアーの方が好きだったりします。
カストマスターはフォール時はゆらゆらと揺れながら沈み、リトリーブ時はスプーンのような動きをするので、今回作るジグのお手本に丁度良いと思いました。
今回作るジグは型に鉛を型に流し込んで作るのに対し、カストマスターは真鍮の削り出し(たぶん)で作られています。
材質や製法が違うので全く同じ形にすることは出来ませんが、なるべくこれに近い形にしたいと思います。
ちなみにこのカストマスターは本来バス用に作られたジグですが、私はこれでバスを釣ったことは一度もありません。
(釣れないのはこのルアーが悪いのではなく、私がヘタクソなだけです。)
作業の流れ
今回のジグ作りですが、以下のような手順で行います。
- ジグの形を決め原型を作る
- 原型を使いシリコン型を作る
- 型に溶かした鉛を流し込みジグを作る
- ジグの形を整える
- ホログラムシールを貼り塗装する
- コーティングする
- フックを付ける
市販のメタルジグも②の型が金型になる点と、⑤と⑥の間に目玉を取り付ける工程がある点以外はおそらく同じはずです。
こうして文字にしてみると結構手間がかかるんだなと思いました。
現在ではダイソーなどの100円ショップでもメタルジグが売ってますが、本当に100円(税抜き)でいいのかなと思ってしまいます。
今回は①について紹介していきたいと思います。
原型を作る
まず型を作るための原型を作ります。
原型は通常木を削って作ったりするのですが、私がそれをやると間違いなく歪な形状になるので3Dプリンタを使って作ってみることにしました。
3D CADで原型のデータを作る
まず3D CADで形状を作ります。
フォールと低速リトリーブでの動きを重視して幅広のボディにしました。
3D CADで作ったデータは体積が算出出来るので、その数値に鉛の比重(11.3)をかければ完成品の重量を出すことが出来ます。
これによりほぼ狙い通りの重量の物を作ることが可能です。
今回は8gと12gの2種類を作ってみることにしました。
また3D CADで作ったデータは重心の位置も分かります。
重心は中央付近に設定しました。
3Dプリンタで出力する
データが完成したら3Dプリンターで出力します。
今回作る物は小さいので、2つ合わせて1時間ちょっとで出来ました。
裏面は両端にくぼみを付けてあります。
これは後述するワイヤを取り付けるために設けた物です。
ワイヤを取り付ける
3Dプリンターで出力した物に直径0.8mmのワイヤを取り付けジグの形にします。
ワイヤ直径は0.8mmか1.00mmか迷いましたが、市販のマイクロジグを見た限りでは0.8mmで強度的には問題なさそうです。
ワイヤを接着剤で固定し紙ヤスリで形を整えたら原型の完成です。
まとめ
今回は製作するジグのコンセプトと原型の製作工程を紹介しました。
次回はシリコン型作りから型に溶かした鉛を流し込んでジグを作る所を紹介したいと思います。
完成までの話をすると3~4記事になると思われますが、よろしければ是非お付き合いください。