前回投稿した「3Dプリンターの購入を検討している方へ」という記事の中で私がXYZプリンティングの「ダヴィンチnano」という3Dプリンターを使用しているという話をしました。
ダヴィンチnanoはコンパクトで値段も2万円台と安いので、初めての3Dプリンターとして購入を検討している人もいるかもしれません。
そこで、実際に私が約1年使用して感じたことをお話ししたいと思います。
商品の仕様などはメーカーのホームページやAmazonの商品紹介ページに詳しく書いてあるので、その辺はほどほどにして、ここでは良い点とダメな点を中心にお話ししたいと思います。
- 3Dプリンタの購入を検討している人
- ダヴィンチnanoに興味がある人
ダヴィンチnanoについて
ダヴィンチnanoはXYZプリンティングの最小モデルです。
12cm四方のサイズまで作ることが出来ます。
1.5mのUSBケーブルが付属しているので、それをPCに繋いで使います。
3Dプリンターの中には液晶モニターが付いていてPC無しで使える物もありますが、これはPC必須です。
背面はこんな感じです。
本体の黒い部分にフィラメント(材料を糸状にした物)のスプールをセットします。
フィラメントのスプールをセットした状態です。
写真ではフィラメントを送りだす装置に付いているはずのカバーが無いですが、これは後述するある理由によりわざと外しています。
付属品は電源コードとUSBケーブル以外では、台座に貼り付けるシート、ノズル掃除用の器具があります。
あと写真にはありませんが、作品を台座から剥がすヘラも付いています。
ただし付属のヘラはプリンターの大きすぎて使いづらいので私は使っていません。
使わないので仕舞っておいたのですが、どこに仕舞ったか忘れてしまったので写真を撮れませんでした。
ダヴィンチnanoのいいところ
ここでは実際にダヴィンチnanoを使って良かったと感じる点を紹介します。
コンパクトで場所を取らない
やはり一番の魅力はコンパクトであることです。
置き場所の確保に全く苦労しませんし、机やテーブルの上に置いて使うことも出来ます。
重さも5kgもないので移動も楽ちんです。
組み立て不要ですぐ使える
3Dプリンターの中には組み立てが必要な物もありますが、ダヴィンチnanoは組み立て不要です。
箱から出してすぐに使えます。
オートキャリブレーション機能付き
ダヴィンチnanoにはオートキャリブレーション機能が付いています。
面倒な台座の水平調整を自動でやってくれます。
私の家はボロイ木造住宅で床が若干傾いているので、この機能は本当にありがたいです。
専用ソフトが使いやすい
ダヴィンチnanoはXYZ Printという付属ソフトで操作するのですが、これが結構使いやすいです。
プリンターや印刷に関する設定は全てここで出来ます。
元となる3Dデータの修正をしなくても印刷物の拡大・縮小が出来るのは個人的に嬉しいポイントです。
(他の3Dプリンターも出来るかもしれませんが。)
さらに印刷時のフィラメントの使用量や残量、印刷にかかる時間も確認できます。
他の3Dプリンターのソフトのことは分かりませんが、私がマニュアルを読まずに使えてるくらいなので難しくはないのは間違いないです。
ダヴィンチnanoのダメなところ
残念ながらいい事ばかりではありません。
ここではダヴィンチnanoのダメなところを紹介します。
電源スイッチの位置がおかしい
まず使ったその日にダメだと思ったのが電源スイッチの位置です。
上の写真の様に本体背面の下側にスイッチが付いています。
このスイッチですが、フィラメントをセットするとこのように隠れてしまいます。
本体とフィラメントのスプールの間隔も狭いのでもの凄く操作し辛いです。
スイッチは正面か側面に配置して欲しかったです。
フィラメントが折れて印刷が中断することがある
3Dプリンターで印刷が失敗するというのは特に珍しい話ではありませんが、ダヴィンチnanoの場合作っている途中でフィラメントがポッキリ折れて印刷が中断することがあります。
当初はフィラメントの質の問題かと思っていましたが、原因はフィラメントを送る装置ではないかと私は考えています。
(写真の赤丸の部分です。)
そう思った理由ですが、フィラメントをセットしたまま状態で放置し、ある程度時間が経ってから使うと折れるケースが多かったからです。
「ある程度」は具体的にいうと一晩以上です。
装置のフィラメントを押さえる力が強く、長時間そのままにしておくと押さえたところに負荷がかかり折れやすくなるのではないかと思います。
原因が分かれば対策は簡単で、長時間使わない時はフィラメントを外しておくことです。
これだけでフィラメントが折れる確率はかなり下がります。
使うたびにセットし直す必要がありますが、印刷に失敗してやり直すより全然マシです。
余談ですが、フィラメントを送る装置には樹脂のカバーがあるのですが私は外しています。
フィラメントの取り出し作業はやる機会が多いので、外しておいた方が作業が楽です。
Wifi非対応
ダヴィンチnanoはWifi非対応のためPCの近くにしか置けません。
離れた所に置きたい場合はUSBの延長コードが必要です。
もしくはWifiに対応したダヴィンチnano wというモデルがあるので、そちらを買いましょう。
フィラメントが純正品しか使えない
個人的にはこれが最大の問題点だと思います。
ダヴィンチnanoに限らずXYZプリンティングの3Dプリンターは、一部のモデルを除き同社の純正フィラメントしか使えません。
この純正フィラメントですが、汎用のフィラメントと比べるとグラムあたりの値段が2倍くらいします。
純正フィラメントには残量がPC上で確認出来るとか、温度設定が要らないなどのメリットがありますが、今の価格設定では値段が高いというデメリットの方が大きいです。
私の様な小物しか作っていない人はまだいいですが、大物をたくさん作りたい人にはキツイです。
不満な点もあるが概ね満足
ここまでダヴィンチnanoを使ってきた感想をお話ししました。
フィラメントが高いなどイマイチな部分はあるものの、扱いやすく3Dプリンター入門機としては良いんじゃないかと思います。
1年以上経った今でも我が家では絶賛稼働中です。
何か面白い物を作ったら当ブログで記事にしたいと思います。
ダヴィンチnanoには私が購入した物とは別に、wifi接続に対応した「ダヴィンチnano w」というモデルがあります。
値段が少し高くなりますが、設置場所の自由度が大幅に上がるので個人的にはこちらをおすすめします。
(私自身購入してからこれの存在を知りちょっと後悔しています。)
購入したプリンターにフィラメントが同梱されていますが、お試し用で少ししかないので1つ別途購入しておいた方がいいでしょう。
材質が何種類かありますが、PLAが最も作りやすく値段も安いのでおすすめです。
色はブラック、クリア、ホワイトあたりが無難ですがお好みでどうぞ。